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漢方医学とは

1.抗糖化

糖化とは、血液中に長く糖分が残っていることで、タンパク質に糖が結合し変性して硬く脆くなり、AGE(Advanced Glycation Endroucts)という終末糖化産物となることです。
終末糖化産物は血管病変を起こし、私たちのからだをどんどん老化させます。そして、一度できてしまうと、10年以上も居座って、なかなか取り除くことができないという厄介な代物です。
糖尿病患者の方が発症する腎臓病や失明、四肢の神経障害などの合併症は、これらの糖化産物の影響です。
この糖化反応を妨げるには、 まず、第一に食後の急激な血糖値上昇を抑える事がポイントです。

糖化を防ぐ食養生


Step1、食事の順番
食事をする順番を変えるだけで、食後の過血糖を抑え、糖化を妨げる事が出来ます。
では、どの様にすれば良いのか。答えは簡単!食物繊維を多く含む野菜を最初に食べる事です。 食物繊維には、皆さんもご存知の整腸作用だけでは無く、糖や脂質の吸収を阻害あるいは体内から排泄する働きがあります。
食物繊維の種類は様々で水に溶けないセルロースやリグニン、水に溶けるペクチンやアルギン酸などの成分があります。さらに消化されにくい性質を持ったデンプン・デキストリン・オリゴ糖などの成分も含まれます。 食物繊維から始まる理想的な食事の順番としては、
の順番となります。
朝食を例に順番を考えてみましょう!
和食:
ご飯、きんぴらごぼう、焼魚、納豆、みそ汁(わかめ、豆腐)

糖化を抑える順番
きんぴらごぼう→焼魚→納豆ご飯→みそ汁(汁物は一番最後に)

洋食:
サラダ、トースト、目玉焼き、コーヒー、ヨーグルト

糖化を抑える順番
ヨーグルト→サラダ→目玉焼き→トースト→コーヒー

というのが、理想的な順番です。
ただし、この中で気をつけなければならないのが、きんぴらごぼうです。きんぴらごぼうは食物繊維が豊富ですが、味付けに砂糖やみりんを使うので、逆に血糖値を上げる原因になる可能性があります。
味付けに使う砂糖をオリゴ糖に変えるなど工夫すると良いかもしれません。きんぴらごぼうだけでなく、煮物にはそうじて砂糖を使う機会が多いと思うので、砂糖を避けて、他の味付けをして下さい。
永井先生から一言コラム
食物繊維が足りていない現代人

食物繊維の1日摂取目安量は厚生労働省(日本人の食事摂取基準2010年板)によると18g/日(男性19g、女性17g)とされていますが、これは心筋梗塞死亡率を元にしたデータの中間値(12g/日未満で増加。24g/日で低下)となっており、疾病の予防には24g/日を基準値とする考えがあります。
これを踏まえて、実際にはどの程度食物繊維を摂取出来ているかを見てみると男性で14.5g、女性で14.2gしか取れていないのが現状です。
食物繊維は第六の栄養素として、糖尿病、心筋梗塞、高血圧、痔、便秘、大腸の病気などを予防する効果がありますので、現代人にとっては積極的に取り入れたい栄養素の1つになっています。
Step2、水分接種
食事中の多量の水分摂取は、胃酸を薄めて消化力を弱めるだけでなく、咀嚼回数が減ることで、膵臓からのインスリン分泌が間に合わず血糖値の急激な上昇を招く事になります。
ですから、水分摂取は食前の30分前には済ませ、出来るだけ、食事中には水分の摂取は避ける様にしましょう!
ただし、高齢になると嚥下機能が低下して誤嚥により、呼吸困難などに陥る可能性もあるので、これを避けるため食事中1杯程度の水、お茶を飲まれるのは構いません。
永井先生から一言コラム
咀嚼の健康効果

近年の研究では、食の文化に基づいた歯応えと風味がある食物の十分な咀嚼は、心身の成長の促進、脳の活性化とリラックス作用、食物の発がん物質の発がん性の減弱、活性酸素の消去、肥満の抑制、糖尿病治療効果の向上、運動機能の向上、骨粗鬆化の抑制、脳の損傷や老化のリハビリテーション効果などにつながることが確認または示唆されています。
また、糖尿病に対しての効果はというと、健常者の寿司咀嚼時の臨床研究では、早食いに比較した1口で40回以上の多咀嚼は、血糖値のピークを早めに生じ、速やかに減少させ、インスリン分泌を促進させることが示唆されています。 以上のことから、咀嚼は、驚く程の健康効果を発揮するという事に他ならないのです。
Step3、低GI食
GIとはカロリーとは関係なく、「炭水化物の質」について数値化したものです。
わかりやすくいえば、数値が低くなれば、血糖値の上昇が緩やかになり、高ければ血糖値が上昇しやすいという事になります。
つまり、カロリーが高くてもGI値が低ければ、血糖値は上昇しづらいのです。
低GI食を取り入れる事で、血糖コントロールの助けになるのです。 そして、低GI食を始める第一段階としては、主食である炭水化物の米、パン、麺類などを低GIのものに変えるという事からスタートしていきましょう!

米の選び方
米の中で一番GI値が低くなるのが、長粒米という種類のお米になります。中東で良く食されている品種で、近年では、日本でも栽培されている様です。
日本のお米の様にもっちりと炊き上がらず、パサパサしています。
次に玄米、玄米から胚芽などを残した7分、5分づき、胚芽米、精白米という順番でGI値は高くなって来ます。 好みもありますから、玄米が苦手な方は7分や5分づきのものを選ぶと良いでしょう。 あとは、きのこや海藻類または山菜など食物繊維を多く含む食品との炊込みご飯なども白米をベースにしたとしても、GI値は低くなります。

パンの選び方
全粒粉といって小麦のふすまや胚芽を残して引いた小麦粉を使ったパンを選びましょう。

麺類の選び方
麺類で低GIになるのは、パスタ(パンと同じく全粒粉のモノがより良い)、そばなどです。
ラーメンに使われる中華麺やうどんなどはGI値が高くなります。なるべく避ける様にしましょう。

食品中のAGE含有量にも注意!
私たちが日々口にする食品中にはAGEが含まれています。
この食品中のAGEは体内で蓄積されるのです。
食品に含まれるAGEの大半は消化のプロセスで分解されますが、全体の10%ほどは分解されずAGEとして体内に溜まります。
さらに、体内に入ったAGEは腎機能が働いている人ならば、体内に入ったAGEは時間とともにほぼ尿から排出されますが、全体の6〜7%は体内で蓄積されてしまいます。これは、仮に食品から摂るAGEの量が100とすると、その内10が吸収、0.6〜0.7が体内に残る計算です。0.6〜0.7といってもこれを毎食、毎日の食事で摂り続ければ、体内に蓄積されるAGEの量は相当なものになることはおわかりいただけるでしょう。
そこで、低GIに加えて、低AGEの食品を心掛けましょう!
次に挙げる表には、食品中に含まれるAGEの量を掲載しています。
食材ごとに重さは違いますが、これはアメリカの「Journal of the American Dietetic Association」(2004年)に掲載されたデータを基にしているので、「サービングサイズ」を基準としています。アメリカでは栄養価などを表記する際に、商品ごとに1回あたりに食べる平均的な量をサービングサイズとして基準としています。
「食品別AGE含有量」

このデータを基に低AGE食を実践してみて下さい。
面倒くさい、難しいという方は次の3つのポイントに気をつけ日々の食事を摂るように心掛けて下さい。
① AGEを多く含む高温調理した肉類、揚げたジャガイモなど摂取を控える。
② 食後高血糖を招く砂糖や精白された穀物を避ける。
③ AGEを低下させるビタミンB群、カテキンなど抗酸化物質を積極的に摂る。

糖化を防ぐ運動療法


食後の血糖値の上昇を抑え、食後過血糖や肥満を解消するには、食直後に運動を開始することが大切です。
多くの方が、ご飯を食べたあとはゆっくりして、消化をキチンと行わなければいけないというように思っています。
しかし、これは昔の話で、戦前戦後はほとんどの日本人はろくに栄養が摂れていない状況では『食休み』をして、少ない食事から得た栄養をキチンと消化して吸収しなければならなかったのです。
しかし、現在は『飽食の時代』といわれ、栄養はむしろ摂り過ぎているのです。
この様なことも含め、食事を食べたあとはゆっくりするのでは無く、体を動かすことで、余分な糖を代謝していく事が出来るのです。
特に、糖尿病で食後の血糖値が急激に上昇する方には有効で、食直後にウォーキングを20分行う事で、食後に200〜300mg/dlまで上昇するような糖尿病患者の方でも、150mg/dl前後という健康な方と同じ様な血糖値に抑えられるのです。

2.抗炎症

糖尿病やアテローム性動脈硬化の炎症というのは、自覚できる炎症の症状も兆候もないのです。
その代り、体のどこかで炎症が起きていることを示すいろいろなタンパク質(炎症マーカー)が血液の中で高いレベルで見つかるようになります。このタンパク質は体がけがに対して反応しているもので、本来は体を守る免疫反応の正常な結果です。つまり傷や侵入者をある一部に封じ込めて排除する戦いの症状です。
ところが血液中の炎症性タンパク質が常に高レベルにあることは、体の内部で炎症が起きていることを示します。
例えば血管とか歯茎、関節などです。
近年、科学者たちは脂肪細胞と炎症の不思議な関係に気づいていました。
実験のために肥満させたマウスの脂肪組織に白血球などの免疫細胞が異様に集中しているのです。これらの免疫細胞は体を守るために警戒しているのではなく、侵入者がいないのに、とても活動的なのです。
1990年代のはじめに脂肪細胞が脂肪の貯蔵庫だけでなく、TNFアルファ(腫瘍壊死因子アルファ)のような生理活性物質を分泌している巨大な内分泌器官であることを発見して以来、インターロイキン-6、レジスチン、アディポネクチン、MCP-1、PAI-1などのいろいろなアディポサイトカイン(脂肪細胞から分泌される生理活性物質)が体の調節にかかわっていることが分かってきました。糖尿病にとって善玉も悪玉もありますから、分泌異常がメタボや2型糖尿病に深くかかわっています。
東京大学の宮崎徹教授が発見した白血球が分泌するAIMというタンパク質も、「肥満がある程度進行すると脂肪組織に多数の免疫細胞(マクロファージ)が集まって、持続的な炎症(慢性炎症)を起こしてインスリン抵抗性から2型糖尿病や動脈硬化になる」という事を述べています。
この炎症反応を抑えるには、
まず、肥満を改善する事が第一のポイントです。
しかし、肥満が原因で炎症を引き起こすのは65%の方ですので、肥満でなくても、炎症を起こします。
抗炎症作用を持つ食品を摂る事が第二のポイントになります。

抗炎症(肥満改善)運動療法

Step1、スロージョギング
肥満とういうのは、BMIで25以上の方というのが一般的です。
ただし、BMIがこれ以下でもお腹がぽっこりの内蔵肥満型の方もいるので、これも合わせてここでは肥満とします。
日常生活の中にスロージョギングを取り入れるだけで、体重減少による肥満が原因で増えるTNF-αの発生を抑える効果が期待出来ます。
スロージョギングの提唱者である福岡大学の田中宏暁教授によれば、ニコニコしながらでも走れるペースという事です。ランニング経験が無い人なら時速4〜5キロ、ランニング愛好家なら10キロという方もいるでしょう。
隣の人と喋りながら、あるいは鼻歌を歌いながら走れるようなペースという事です。
このスロージョギングの効果は疲労物質の乳酸がたまらないぎりぎりのスピードだから、長い時間走り続けることができるので、心肺機能が向上します。
また、同じ速度のウォーキングと比べて約2倍のエネルギーを消費するため、減量効果も高くなるのです。さらに、つま先から土踏まずにかけての『フォアフット』で着地する様にすれば、膝を痛める心配がありません。 どのくらいの時間行えば良いのかですが、一般的にランニングでは脂肪燃焼効果が現れるのに20分以上継続して走らなければいけないと言われますが、田中教授によれば、細切れでも良いという事です。
例えば、近くのコンビニに買い物に行く時、あるいは通勤の途中で、1分スロージョギングして、30秒歩く、 そして、またスロージョギングするという様にするだけでも効果が現れるそうです。田中教授の行った実験では、前述の事を取り組んだだけで3週間で4kgも体重が減ったという方もいたほどです。
そして、初心者からでもこのスロージョギングを毎日続ければ、3ヶ月でフルマラソンも走れる様になるというのです。
では、正しいスロージョギングの方法です。
  • (1)背筋を伸ばしヒジを軽く曲げる。※姿勢がとても重要
  • (2)足の指の付け根が地面に付くようにする。 ※踵(かかと)から着地するのは間違い。
    軽くジャンプした時に着地する場合と同じ、脚の指の付け根が地面に付くようにする。
    ※ヒザや腰に痛みがある人も、踵(かかと)着地に比べ負担が少ない。
  • (3)歩幅は足の大きさの約半分で走る。
    ※慣れてラクラク過ぎたら少しずつスピードを上げていく。歩幅も同様に広げていって良い。

抗酸化/抗炎症食生活

炎症を抑えるには、AGEによって発生した大量の活性酸素を除去する働きを持つ抗酸化物質を多く含む食品を摂ることを心掛けることからスタートしましょう!
栄養素としては、ビタミンB群、C、E、β−カロテン、フラボノイド、ポリフェノール、カテキンなどの抗酸化物質(非酵素)に加え、体内の抗酸化酵素を作る原料になるミネラル(亜鉛、銅、マンガン、セレン、鉄など)を摂取するべきです。
この様な抗酸化物質を多く含む食品としては、野菜類、きのこ類、海草類、くだものなどが挙げられます。
また、炎症を抑える抗炎症作用を持つ栄養素として、青魚に多く含まれるEPAも積極的に摂取したい栄養素の1つです。

3.抗酸化

糖尿病は血液中のブドウ糖がエネルギー変換できず、血糖値が高くなるという病気です。
糖尿病になると糖化たんぱく質が体内に増えることになります。 糖化タンパクは体の中で幾度となく化学反応を繰り返し、最終的にAGE(最終糖化産物)という物質へと変化します。
そしてAGEになる過程において、活性酸素を大量に発生させます。 この活性酸素は健康な細胞を破壊し続け、様々な合併症を引き起こすのです。 糖尿病の合併症では、動脈硬化、心疾患、脳溢血、視力低下、神経障害、血流障害などがあります。 また症状が進むと血液循環が悪くなり、手足の壊疽になるのです。
これを防ぐには抗酸化作用を持つ食品を摂る事により活性酸素は排除されるのです。 抗酸化物質としては、ビタミンE、ビタミンCなど各種ビタミン、不飽和脂肪酸オメガ3、そして、微量ミネラルなどです。
これらを普段の食事で意識しながら、摂取する事です。
つまり、抗酸化作用を持つ食品を意識しながら、日々の食事を考える事が重要です。

抗酸化/抗炎症食生活

前述した糖化、炎症、酸化は輪の様に繋がっていて、糖化を防げば、炎症、酸化を抑える事ができ、酸化を抑えれば、炎症を抑える事が出来ます。
糖尿病の予防、または合併症の予防を考えている糖尿病予備軍、あるいは高血糖に悩まされる糖尿病の患者さんはこの3メソッドを実行する事で糖尿病の進行を抑えて、健康的な生活を送れるようになるでしょう。
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