➡️大塚)
糖尿病性の網膜症とはどのような症状がありますか?(初期症状、諸症状)
➡️原田 先生)
基本的には糖尿病性の網膜症は初めは無症状です、無症状といっても身体の中では進行は始まっています。進行してきて中期くらいまで症状が進むと時々飛蚊症と言って視界の中に蚊が飛んでいるような症状が現れる事があります。
またその他に緑内障といって視野狭窄や、視力低下をきたし眼痛や頭痛を起こす事もあります。
更にそのままにしておくと、視力が一気に下がって視えなくなり、最終的に失明してしまいます。
初めに無症状で気がつかないということが一番怖いということです。一般的に糖尿病と診断されてから5年10年経ってから症状として現れる事が多いです。しかし、血糖値や個人差によってそれよりも早く現れる方や遅く現れる方もいます。
以下、大)、原)、に省略。
➡️大)
網膜症は身体にどのような異常が起きて症状があらわれますか?
➡️原)
血糖が上昇する事によって、網膜症がおきます。
身体には手が痺れたり、激しくなると腎機能が低下し悪化すると網膜症という症状が起きます。網膜症とは網膜の血管が閉塞し出血が起きる状態を言います。
網膜には多くの毛細血管が集中していますので、血糖値が高い状態が続くと、
もろくなり出血をおこします。
また血管が血栓などで詰まってしまうことで、
血流が途絶えた部位に栄養を補充するために新生血管(新しい血管)が出来てしまいます。
この新生血管は非常に脆く直ぐに出血してしまいます、
これを繰り返すことで網膜症は進行していき、最終的には失明に繋がってしまいます。
➡️大)
網膜症が進行すると失明することがあると聞きました、どのようにして失明は起きますか?
➡️原)
網膜症が激しくなると、目の中で出血することがあり、その場合手術の適応となります。但し手術が成功しても、放って置くとその後、緑内障になったりして失明してしまうことが、多くあります。
➡️大)
国内での失明の原因の第1位が糖尿病からくる目の疾患が一番多いという事ですが、
糖尿病からくる目の疾患には網膜症以外にどんな病気がありますか?
➡️原)
網膜症以外というより糖尿病網膜症の中にも様々な種類の疾患があります。
自覚症状がほとんど無い単純糖尿病網膜症から網膜の血管が閉塞して起きる増殖前網膜症や、更に進行すると増殖糖尿病網膜症(牽引性網膜剥離)となっていきます。
他にも血管新生緑内障や、糖尿病黄斑浮腫があります。
➡️大)
これに関する治療、改善策や、日々の生活の中での注意点にはどんな事がありますか?
実際に先生はどのような提案を患者さんにしてますか?
➡️原)
先ずは、内科を受診し血糖をコントロールする事が大事です。また、血糖をコントロールするには、自身で食事や程よい運動、医師の処方による血糖コントロールと個人的にはサプリメントを推奨します。もちろん私自身もサプリメントを飲んでいます。
治療法としては網膜症の種類によって様々ですが、レーザー治療や薬物治療、硝子体手術などがあります。
日々の生活の中での注意点としては特に網膜症の方は、テレビや、パソコン画面を長時間注視すると目の負担が大きくなるので、目を休める必要があります。
➡️大)
糖尿病性網膜症の予防法はありますか?
➡️原)
予防法としては血糖のコントロールをして進行を防ぐ事です。
眼科医の私の立場からすると、患者さんには眼科を受診して頂き眼底検査をして、
予防していくという方法しかありません。
是非、眼科を受診する事をお勧めします。
定期的に検診を受けて、最低でも3ヶ月に1回、症状が重くなれば1ヶ月に1回は受診をして下さい。
原田先生インタビューに答えて頂きありがとうございました!
また明日から糖尿病性網膜症について掘り下げていきたいと思います!